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ゲート絶縁膜に自己組織化単分子膜を用いた
2次元結晶ナノシートの研究

Research on two-dimensional crystal nanosheets using a monomolecular layer as the gate insulating film
2022年度

研究代表者

山本 伸一(先端理工学部・教授)

共同研究者

石崎 俊雄(先端理工学部・教授)
番 貴彦(滋賀県立大学・講師)
野中 俊宏(豊田工業高等専門学校・講師)
安藤 敦(産業技術総合研究所・次長)
清水 哲夫(産業技術総合研究所・ラボ長)
宮原 陽一(テキサス州立大学・准教授)
大竹 忠(理化総合研究所・代表)

区分

共同研究

概要

Society 5.0 「超スマート社会」を実現する最重要技術は人工知能であるが、人工知能の進歩は、ソフトウエアと膨大な計算を短時間に実行する半導体技術というハードウエアの両輪の進歩にある。しかし、2050年に人工知能の消費電力は全電力の60%になると試算され、世界的なエネルギー・環境・社会問題となる。この問題解決には、半導体技術の更なる低消費電力化であるが、現行のシリコン・トランジスタの微細化だけでは限界が見えている。低消費電力実現には、動作状態(オン)と非動作状態(オフ)の電流比(オン・オフ比)を大きくとれるエネルギーバンドギャップの広い電子材料が必要である。その次世代電子材料として注目されているのが半導体としての構造制御特性が期待できる、遷移金属ダイカルコゲナイド(TX2)の原子薄膜である。遷移金属ダイカルコゲナイド(TX2)は、遷移金属元素M (Mo, W, Nb等)と2個のカルコゲナイドX (S, Se, Te)が結合した物質で、原子層オーダーの薄膜の製作と広いエネルギーバンドギャップを有することを特徴としている。このため、TX2原子薄膜におけるドーピング制御を確立し、超高速超低消費電力原子薄膜デバイスの実現には、(i)高品質なTX2真性半導体単結晶の実現、(ii) 下地絶縁物等の影響を排除した、TX2原子薄膜本来のキャリア(PN)タイプの識別とその濃度の直接的計測手法の確立、(iii)実現された真性単結晶および開発された直接的計測手法を用いた、TX2原子薄膜に対する下地絶縁物等の影響に関する詳細の解明が重要となってきている。
本研究は、次世代人工知能を実現しうる先駆的な研究であり、新学術分野の創成や新技術に発展すると考えられる。