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微噴凍結乾燥法を用いた光触媒の機能性向上

Improving functionality of Photocatalyst by micro-spray freeze-drying method
2022年度

研究代表者

山本 伸一(先端理工学部・教授)

共同研究者

宮戸 祐治(先端理工学部・准教授)
番 貴彦(滋賀県立大学・講師)
野中 俊宏(豊田工業高等専門学校・講師)
上松 天(株式会社アルバック)
山田 啓文(京都大学・名誉教授)

区分

共同研究

概要

研究代表者は、光触媒やナノテクノロジーの一つである量子ドット技術による発光・受光素子、分子一つを制御する自己組織化単分子膜による新しい電子デバイスという新規機能性材料・デバイスの研究を進めている。
その中で、環境負荷をかけずに健康や安心・安全に貢献する材料として、太陽光や屋内照明光という可視光でも高効率で機能する光触媒である単斜晶系バナジン酸ビスマスを安価かつ効率的に製造する方法や薄膜化実装する方法を研究してきた。その成果を特許として出願※1しており、前者については企業へ有償で実施許諾を行うという事業化まで達成している。
研究代表者が研究した単斜晶系バナジン酸ビスマスは、既存の光触媒である酸化チタンに比べ7 倍の光触媒効果を有するが、環境・SDGs が重要視されている昨今、単斜晶系バナジン酸ビスマスの光触媒効果をさらに向上させ、水の浄化・生活環境の抗菌への普及を考えている。
一方、研究代表者は、世界有数の半導体設備メーカーである株式会社アルバック(以降、アルバック)と2014 年以降「ナノスケール新規材料の研究」をテーマに共同研究を進め、量子ドット技術や自己組織化単分子膜による電子デバイスの研究で成果を上げてきた。アルバックと共同研究を行う中で、彼らが開発してきた製薬や食品加工、医療分野に利用されている微噴凍結乾燥法を無機材料である光触媒に応用し、材料の多孔質化と微粒子化を進めることでその表面積を拡大させ、光触媒の機能性を向上させることができるのではないかと着想した。  
本研究では、光触媒が機能を維持するための材料成分を損傷しない微噴凍結乾燥法を探索する。

※1
特開2020-111476:可視光応答性バナジン酸ビスマスの製造方法 
特願2020-051174:構造体およびその製造方法